PURPOSE OF ESTABLISHMENT

理事長
栗田 浩
信州大学医学部歯科口腔外科

1.趣旨
食べる・話すなどの口腔機能はわれわれ人間が生きていく上で重要な機能であり、生活の質にも大きく影響している。われわれの生命や生活を守る保健、医療、介護においても歯および口腔の健康増進は欠くことのできないものである。
現在日本は、迎えつつある人口動態(高齢化、人口減少)や社会構造(過疎化、地域格差など)の変化に対応するべく、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築が進められている。このためには,地域における保健・医療・介護の関係機関が連携・協力して,包括的かつ継続的な保健・医療・介護の提供を行うことが必要であり,関連機関の整備、連携が進められている。歯科口腔医療もこの医療提供体制において担うべき役割を果たし、社会的責任を果たさなくてはならない。
しかし現状において,歯科口腔医療は十分な役割を果たす体制が整っているだろうか? 地域において効率的かつ効果的で質の高い医療を提供するためには、かかりつけ医(一次医療)、地域の中核病院(二次医療)、大規模病院(三次医療)が組織され、それぞれの役割を果たし、連携して対処することが求められる。しかしながら、歯科医療においては、二次および三次医療を担当する病院歯科が不足している。また病院歯科の果たすべき機能や役割の理解、その分担、病院歯科を担う人材の育成も進んでいないないのが現状である。病院歯科の理解や整備を進め、役割を発揮できる環境を作り出すことが不可欠である。
そこで,我々はこの問題に対して,協働して自ら解決に当たるための新たな枠組みとして,「全国病院歯科医協会」(以下,「病院歯科医会」という。)を設立する。
病院歯科医会は,会員が協働して、病院歯科の普及、啓発、広報、役割や分担、連携、人材育成、調査研究、関連機関との調整や連携等を行い、病院歯科の発展とその使命の完遂により、歯科口腔医療を含む医療及び保健の確保と質の向上を図り、もって国民及び地域社会の健全な発展に寄与することを願うものである。

2.組織
病院歯科医会は、本会の趣旨に賛同した、病院歯科に係わる歯科医師及び医師、メディカルスタッフ等が、急性期や慢性期および回復期病院の垣根を越えて、口腔外科や老年、摂食嚥下、障害者歯科などの学会や専門の垣根を越えて、病院歯科の発展および社会への貢献というひとつの目的のもとに集まるものである。

TOP